レジサポ転換はなぜ起きるのか？その発生原理

レジサポ転換（ロールリバーサル）がなぜ起きるのか？

ちょっと前までサポートとして機能していたラインが、一転してレジスタンスラインに変わるこの現象は、相場に慣れないうちは不思議に思います。

しかし、トレーダーの心理とテクニカルから考えれば、レジサポ転換はとても合理的で素直な現象だということが分かります。

この記事ではその発生の原理を説明します。

レジサポ転換とは？

改めて説明するまでもないかもしれませんが、レジサポ転換の定義を確認しておきます。

レジサポ転換とは「サポートとして機能していたラインがブレイク後にレジスタンスラインに変化する現象」のことを指します。

※その逆（レジスタンスライン→サポートライン）も同じくレジサポ転換です。どちらの場合も発生する原理は同じです。

以下で、レジサポ転換が発生する原理を「トレーダーの心理」と「テクニカル」に分けて説明します。

レジサポ転換が起きる原理の一つは、ポジションを保有しているトレーダーの心理にあります。サポート→レジスタンスの転換の場合で説明します。

ラインがサポートとして機能している期間、そのライン付近やラインより上の価格で買っているトレーダーが多くいます。このラインを下にブレイクすると、買っていたトレーダーは損切するか、含み損を抱えるかのどちらかになります。このとき含み損を抱えたトレーダーには大きく分けて2つのタイプがあります。

①損切し損ねたホルダー: ブレイク時に損切の決断ができなかったトレーダーや、急落で損切が間に合わなかったトレーダーのことです。
これらのトレーダーは心の中ではトレードの失敗を認めていて「あのとき損切ればよかった」と後悔しています。しかしその一方で、「もしかしたらここから上昇するかも」という期待も持っていてなかなか損切に踏み切れません。根拠の薄いトレードをしがちな面があるトレーダーと言えるかもしれません。
②想定内のトレーダー: ある程度の含み損までは耐えるつもりで買ったトレーダーのことです。
大きな波や大きな時間足を見ているトレーダーは多少の含み損が生じることは想定内です。しかし含み損は誰にとっても気分の良いものではありません。含み損を抱えている時間が長くなってくると、当初考えていた「含み損に耐える」という気持ちにも揺らぎが生じるものです。

①②のトレーダーが共通して抱いている感情は「不安」です。

不安を抱えたトレーダーは、不安な状態が長くなるほど、または不安（含み損）が大きくなるほど、一つの気持ちに行き着きます。

それは「早く助かりたい」です。

「勝ちたい」ではなく「助かりたい」です。プラマイゼロでいいから、もしくは多少損してもいいから、含み損の状態から早く解放されたいという気持ちです。

そのため、価格が元のライン付近まで戻ってくると「早く助かりたい」トレーダーから順にポジションを決済しはじめます。すると当然価格の戻りが鈍くなり、もっと上で決済したかったトレーダーも損を覚悟で決済しはじめます。

これが連鎖するとライン付近から再び価格が下落に転じます。

このように、サポートラインはいったん下にブレイクすると、含み損を抱えたトレーダーによって潜在的に売られやすいレジスタンスラインに転換します。

これがトレーダーの心理から見たレジサポ転換が発生する原理です。