自分のトレードの振り返り方(傾向分析・改善方法)

自分のトレードの振り返り方にはいろいろな方法があります。

ここでは、今後の自分のトレードを改善するための振り返り方を具体的に説明します。

この記事を読んだあとに、実際にご自身のトレード結果で振り返ってみてください。

きっとあなたのトレードが良い方向に変化すると思います。

勝率とリスクリワードレシオの最低ラインは明確!

勝率とリスクリワードレシオには、必ず満たすべき最低ラインがあるということをご存じでしょうか。

そのラインとは、損益の期待値がゼロ以上となるラインです。下図を見てください。

損益の期待値の分岐ライン

↑中央の青いラインが損益の期待値がゼロとなるライン(損益分岐ライン)です。損益分岐ラインから右上に離れるほど期待値は大きくなり、逆に損益分岐ラインから左下に離れるほど期待値は低く(マイナス)になります。

期待値がマイナスではトレードすればするほど資産は減ってしまいます。したがってこの損益分岐ラインが勝率とリスクリワードレシオの最低ラインであるということです。

補足:期待値の計算式

損益の期待値は下記の式で求められます。

勝った場合の利益 × 勝率 – 負けた場合の損失 × (1 – 勝率) = 損益の期待値

詳しくは過去記事「リスクリワードレシオ・期待値・勝率の計算方法まとめ」をどうぞ。

自分のトレード履歴で調べる方法

自分のトレード履歴を使って、現在の自分の勝率とリスクリワードレシオを調べる手順を説明します。今回は例として私の実践トレードの履歴で説明します。

使用するトレード履歴の残高データ

↑実践期間のうち、トレード手法が一貫していた152件(青い四角の部分)を使います。

では、手順です。↓

トレード履歴を抽出する

まずは、FX業者のサイトやMT4から自分のトレード履歴(ここでは152件)を入手して下の表を作成します。

加工したトレード履歴データ

↑MT4から抽出して少し加工したトレード履歴です。緑色の項目はどのFX業者でもデータを抽出できると思います。黄色の列(勝敗と獲得ピップス)はエクセルなどを使って自分でつぎ足してください。

「獲得ピップス」の列がリスクリワードレシオを調べるためのキモになります。面倒ですが、ポジションレートと決済レートの差から計算して下さい。

トレード履歴を集計する

先ほどのトレード履歴からトレード数などを集計して、下記の表を作成します。

トレード履歴の集計結果

↑計算自体は特に難しいものはありません。電卓でもエクセルでもお好きな方法で集計してください。

また、⑨必要勝率の意味は過去記事「リスクリワードレシオ・期待値・勝率の計算方法まとめ」で詳しく説明しています。

自分の現在地を知る

損益分岐ラインの図に自分の現在地を表示します。

自分のトレードの現在地

これで、自分のトレードの現在地を知る手順は完了です。

以下では作成したデータから、自分のトレードの傾向を知って、改善する方法を説明します。

【分析】自己トレードの傾向を知る

上の手順で作成したデータをもとに、自分のトレードの傾向を知りましょう。

検証項目 結果 補足
総トレード数 152回
勝ちトレード数 70回
負けトレード数 82回
勝率 46.1% ②÷①
平均獲得pips 4.3pips 全トレードの平均pips
平均勝ちpips 25.6pips 勝ちトレードの平均pips
平均負けpips 13.9pips 負けトレードの平均pips
リスクリワードレシオ 1.84 ⑥÷⑦
必要勝率 35.2% 1÷(⑧+1)

↑上の手順2で作成した私のトレードの集計データです。この集計データから、自分のトレードの傾向や特徴がはっきりと見えます。ご自身のトレードデータと比べてみてください。

データを見る時のポイントは以下のとおりです。

  • ①総トレード数は統計データとしては500件以上欲しいところですが、152回でもおおよその傾向は見えてきます。
  • ④勝率はトレードの改善指標としてとても重要です。自分のトレードの勝率は正確に調べておくのをおすすめします。
  • ⑤平均獲得pipsは全トレードの平均獲得pipsです。上の表では4.3pipsでした。この値は自分のイメージよりもかなり小さな値になると思います。1回のトレードで4.3pipsしか取れないと考えると、いかにスプレッドのコストが大きいかがよくわかると思います。
  • ⑥平均勝ちpipsは勝ちトレードの獲得pipsの平均です。ボラティリティやポジション保有期間が大きくなるとこの値も大きくなる傾向があります。この値を知っておくと、自分が得意な利幅が見えてきます。
  • ⑦平均負けpipsは負けトレードの獲得pipsの平均です。自分のトレードでは損切幅がどの程度必要なのかの目安にすることができます。私の場合は13.9pipsですので、損切幅を50pipsなどに広げてもおそらく損失が膨らむだけだと予想できます。
  • ⑧リスクリワードレシオは平均勝ちpipsを平均負けpipsで割った値です。この値はトレード手法によって大きく変わりますが、通常の裁量トレードであれば最低でも1以上は欲しいところです。初心者がチキン利食いしたり損切ラインをずらしたりするとたいてい1を割ってしまいます。
  • ⑨必要勝率は、現在のリスクリワードレシオで期待値がプラスになるために勝率がどれだけ必要かを表します。私の場合は35.2%ですので、3回中1回は勝つ必要があると分かります。(必要勝率については過去記事にもう少し詳しく書いてあります。)

自分のトレードの特徴を具体的な数値で知っておくことで、実際にトレードする際に「あ、これは得意なケースだ。」とか、「自分のトレードではここはエントリーは無理だな」などの判断基準にすることができます。

またトータルで勝つという感覚が持てるようになります。1回1回のトレードで右往左往せずに、淡々と利確・損切するためにはこの感覚がとても大切です。

【対策】自分のトレードを改善する

最後に、自分のトレードの現在地を改善していきます。

下図は、自分のトレードの現在地と改善方法を示した図です。

自己トレードの改善方法

↑改善方法には、「①勝率を上げる」または「②リスクリワードレシオを上げる」という2つの方向があります。

どちらの改善方向でも損益の期待値を上げることができますが、取り掛かりやすいのは「改善②リスクリワードを上げる」です。

なぜかというと、勝率は自分の意志では上げられないからです。「できるなら初めからやってるよ。」ですよね。勝率を上げるにはトレード手法を改良したり、チャートの読解スキルを上げるなどの地道な努力が必要で、すぐに改善できるものではありません。

それに対して、リスクリワードレシオは利確ラインと損切ラインの位置で決まりますので勝率よりもコントロールするのは容易です。

ただし、やみくもに利確幅を大きくしたり、損切幅を小さくしたりすると勝率は下がってしまいます。ですので、勝率をできるだけ維持しつつリスクリワードレシオを大きくすることに注意します。

そのためには下記のようなポイントに気を付けます。

  • 長期トレンドに沿った方向にエントリーする
  • チキン利食いやストップラインずらしをぐっとがまんする
  • 利確ラインを遠く置ける(損切ラインを近くに置ける)場合だけにエントリーを厳選する
  • スプレッドの小さい通貨ペアやFX業者を使う
  • エントリー条件を満たしたら迷わず入る(チャンスの場面は他のトレーダーにとってもチャンス。割りの良い状況はあっという間にレートが動いて消えてしまいます。)

↑利確ラインや損切ラインの位置は、チャートのテクニカルポイントに置くのが基本ですので、やみくもに変えることはせず、リスクリワードレシオの良い時に絞ってトレードするということですね。

まとめ

自分のトレードの特徴を知って改善する方法を説明しました。(思いつくままに書いたので、改めて読むと起承転結がちょっとおかしいですね。でも大事な要素はおおよそ書けたと思います。)

私は、この記事のようにトレードを勝ちやすいフォーマットに落とし込んでいくことを「トレードを設計する」と勝手に呼んでいます。トレード手法よりもっと大枠のトレード構造を組み立てるというイメージです。

勝ちやすいトレードを設計していけば、おのずと結果が付いてくると私は考えています。もし手法をいろいろ試して途方に暮れている方がいたら、ご自身のトレードを設計し直してみるとよいかもしれません。

下記のMT4ツールは、私がトレードの設計で使っているものです。ここまで読んでくれた方なら役に立つと思います。よかったらお試しください。

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リスクリワードレシオなどをリアルタイムに計算してエントリー→「MT4 ライントレード攻略ツール(Mi_LineTrader)

それでは、良いFXトレードを!

コメント

この記事へのコメント(2 件)

  • なおさんより

    参考になったのでTwitterでシェアさせていただきました。
    ありがとうございます。

  • 管理人ですさんより

    なおさんへ
    シェアありがとうございます!少しでもお役に立ったなら嬉しいです。