スプレッドと勝率の関係【前編】

スプレッドがいくつまでだったら勝てるのか?」そんな疑問がわきました。

国内最狭0.3ピップス!ならば勝つ見込みがありそうだけど、2ピップスとか4ピップスとかどうなんだろう?あれって勝てるの?

ということで、スプレッドと勝率の関係をもとに「勝ちめのあるスプレッドがいくつなのか」を考察した記事です。

少し長いので前編・後編に分けて説明します。

疑問「スプレッドはいくつまでなら勝てるのか?」

クエスチョンマーク

スプレッドはいくつなら勝算があるのか?」そんな疑問を抱いたことはありませんか?私は結構前から疑問に思っていました。

国内ブローカーの場合のドル円スプレッドは0.3pips程度であまり気にならないレベルです。しかし少しマイナーな通貨となると2pipsや4pipsなどスプレッドは一気に広くなります。

大人しくスプレッドの小さいドル円だけトレードすればいいのですが、トレードチャンスを増やすために、多少スプレッドが広くてもマイナー通貨に手を出したくなることもあります。

そういった少し広いスプレッドでトレードする場合に備えて、「スプレッドはいくつまでなら勝算があるのか?」を考えておこうというのがこの記事のテーマです。


長くなるので先に結論だけ言っておくと、「スプレッドは損益幅の10%以内まで」です。

スプレッドと勝率の関係

スプレッドは小さいほど勝率は高くなります。これは当たり前の話です。でももう一つ重要だけど気付きにくいのが「スプレッドが同じでも損益幅によって勝率が変わってくる」ということです。

例えばスプレッド5pips固定の場合に、「損益幅±10pipsでトレードするのと損益幅を±100pipsでトレードするのとでは勝率が異なる」という意味ことです。

言葉では分かりづらいので図で説明します。スプレッド5pipsの通貨をロング場合に、「①損益幅±10pips」と「②損益幅±100pips」とでは勝率がどれくらい違うかを考えてみます。

①損益幅が±10pipsの場合

スプレッドが5pipsの通貨を損益幅±10pipsでロングする場合です(下図)。

損益幅10pipsでロングした場合

エントリー時はAskの価格が適用され、決済時はBidの価格が適用されますので、エントリーした瞬間に5pips分の含み損が生じます。

10pips勝つにはレートがここから15pips上昇しなければなりません。一方で10pips負けるにはここからレートが5pips下がるだけです。利確までの距離(15pips)に対して損切までの距離(5pips)が近いので、負けそうだということが直感的に分かります。

相場が上下ランダムに動くとすると、この場合の勝率はおよそ25%となります。スプレッドがゼロだったら五分五分のはずですので、スプレッドのせいで-25%も勝率が落ちることになります。

この状況で勝とうとしたら-25%分を埋められる手法が必要です。まず勝てないでしょう。

②損益幅±100pipsの場合

では、損益幅を大きく広げて±100pipsにしたらどうなるでしょうか?スプレッドは①の場合と同じ5pipsとします。

損益幅100pipsでロングした場合

エントリー時はAskの価格が適用され、決済時はBidの価格が適用されますので、エントリーした瞬間に5pips分の含み損が生じます。

100pips勝つにはここからレートが105pips上昇する必要があります。逆に100pips負けるにはここからレートが-95pips下落する必要があります。利確までの距離(105pips)と損切までの距離(95pips)が近いので勝敗は半々ぐらいになるだろうと予想できます。

相場が上下ランダムに動くとすると、この場合の勝率は47%程度になります。この状況で勝つには、-3%程度分を埋める手法を使えば良いということになります。①よりも勝てる見込みがありそうですね。


スプレッドは①も②も5pipsですが、②の方が勝率がかなり改善されることが分かります。これは「損益幅を広くしたことでスプレッドによるハンデが薄まった」と考えると分かりやすいと思います。

タイトなトレードは割に合わない

上記の①②で示したように、損益幅とスプレッドの大きさは勝率に大きく影響します。タイトな損益幅でトレードをしている人は、かなりハンデを背負っていると思います。

よくやりがちな例で言えば、スプレッド2pipsのポンド円を利幅・損切幅±5pipsのスキャルピングなど。FXブローカーにスプレッドをせっせと支払っているようなもので、割に合わないトレードだと思います。

スプレッドのハンデを軽減するには、利幅・損切幅をある程度取ることです。そうすることでようやく手法本来の成績が発揮できるようになるのだと思います。

後編では、「具体的にどれだけの損益幅を取れば良いのか」をシミュレーションしてみたいと思います。

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