DD方式などのまとめ

この記事は下記6つの方式の違いをまとめたもの。

  • DD(Dealing Desk)
  • NDD(No Dealing Desk)
  • ECN(Electronic Communications Network)
  • STP(Straight Through Processing)
  • Market Execution
  • Instant Execution

私個人の解釈が含まれており、そもそもの定義とは合致しない箇所が含まれる。

〇〇方式まとめ

そもそもDD方式などの「〇〇方式」は「注文がどのように処理されるのか」を表す用語である。一言で言えば「注文処理方式」のこと。

代表的なものは下記6つ。

DD方式、NDD方式などの一覧

↑各方式は、お互いに包含関係にあるものではないが、この表のように強引に体系化した方が理解しやすくなる。

各方式のポイントは以下の通り

DD方式

DD方式の注文処理イメージ

トレーダーからの注文をFX業者自身が受ける方式。Dealing Deskの略。

FX業者が親でトレーダーは子という構造。取り扱うものが金融商品というだけで、競馬やパチンコなどの賭け事とおおおよそ同じ仕組みである。したがって、トレーダーとFX業者は利益相反の関係にある。

トレーダーから注文を受けたFX業者は、自身のリスクヘッジと収益確保のため以下を行っていると推察される。

  • 注文をそのまま呑む
  • トレーダー同士の注文で相殺する
  • 外部にカバー注文を出す

このような方法を駆使することで、DD方式を採用しているFX業者は、非常に狭い固定スプレッドをうたっている場合が多い。スプレッドの狭さはDD方式のメリットである。

反対にデメリットは透明性の低さである。注文がどのように処理されているのかはほぼブラックボックスのためよく分からない。FX業者が悪意を持って決済価格を操作していたとしてもトレーダーには確かめようがない。

NDD方式

NDD方式の注文処理イメージ

トレーダーからの注文をFX業者以外(つまり第三者)が受ける方式。No Dealing Deskの略。

この方式では、FX業者は注文を第三者に引き渡す仲介役を担う。FX業者は仲介時のマークアップ(スプレッド上乗せ)や外付けの成約手数料で収益を上げる。

トレーダーができるだけ長く・多くトレードすることがFX業者の収益につながることから、基本的にトレーダーとFX業者の利害関係は一致する。

上記の通りNDD方式ではFX業者とトレーダーがwin-winの関係になるという安心感・信頼感がトレーダーにとってのメリットとなる。

反対にデメリットは、DD方式よりもスプレッドが広い傾向があることや、変動スプレッドであるということなどがある。

STP方式

STP方式はそもそも”発注・売買成立から決済に至るまでの経過を人手を介さず電子的に行うこと(Wikipediaより)”を指す。これは現代のネットトレードではむしろ当たり前のことである。ほとんどの注文はSTP方式で処理されているともいえる。

トレーダーからの注文は銀行、ファンドなどをはじめとした各種カバー先に流される。

ECN方式

ECN方式ではトレーダーの注文はECNに流される。

ECNとは米国の私設取引所の一つで、正式名称はElectronic Communications Network。取引所とは言っても東証のように実際の建物のがあるわけではなく、ネットワーク上のみのバーチャルな取引所である。

ECNは、銀行、証券会社、ファンド、FX業者などの金融業者だけでなく個人投資家も参加することができる取引所であり、参加者同士の注文が次々にマッチング&決済される。日本の株式市場と同じような仕組みである。

つまりECN方式は、実質的にはトレーダーが市場に(ECN)に参加して、他の参加者を相手に取引していることを意味する。そのためFX業者の思惑が入る余地がなく、透明性の高い方式であるといえる。

定義から言えばECN方式もSTP方式に含まれるが、トレーダーが直接マーケット(ECN)に参加するという特徴から、STPとは別の方式として説明されることが多い。

Instant Exection

Instant Excectionはトレーダーからの注文をまずFX業者が決済する決済方式のことである。日本語に直訳すると「即時決済」。

トレーダーの注文を決済するのとFX業者はそれと同時に対(つい)となるカバー注文を各種カバー先に出すことでリスクを相殺する。

メリットは、決済レートがあらかじめ提示されていること(ただしスリッページは起きる場合あり)、小ロットのトレードが可能などがある。

反対にデメリットは、FX業者に不利にレートが動いた場合にはリクオート(約定拒否)が生じることがあることや、Market Executionに比べて透明性が低いことなどがある。

Market Exection

Market Excectionはトレーダーからの注文がそのまま市場やカバー先での第三者に決済される決済方式のことである。日本語に訳すると「市場決済」。

ECN方式におけるECN市場での決済がもっとも典型的な例である。

Market Executionでは、トレーダーにあらかじめ提示されているレートはあくまで気配値であり、実際の決済価格は提示価格からずれることがある。

メリットは透明性の高さ。市場での決済価格がそのままトレーダーの決済価格となるため、その価格に対して文句のつけようがない。またリクオートが生じない。

反対にデメリットは、スリッページが発生することや、小ロットでのトレードができないことなどがある。

まとめ

この記事ではDD方式をはじめとした6つの〇〇方式についてまとめました。

各方式の仕組みを知っておくことで、FX業者のシステムの挙動の原因が分かります。それはひいては、FX業者の考え方や信頼性などを垣間見ることでもあります。

いろいろわかった上で、自分に合ったFX業者を選びたいものです。

コメント

この記事へのコメント(0 件)