分割決済の効果とメリット

分割決済にはいったいどういう意味があるのでしょうか?

この記事では、分割決済の効果とメリットを「心理」と「統計」の二つの観点から考察していきます。

じっくりと整理して考えることで、自分のトレードに分割決済を取り入れた方が良いのかどうかが見えてきます。

では、どうぞ。

分割決済とは

改めて言うまでもありませんが、分割決済とは「ポジションを何回かに分けて決済すること」です。

分割決済にはいろいろなやり方があります。二分割で決済するのか、三分割で決済するのか、決済のトリガーをpips数にするのか保有時間にするのかなどなど。

どのようなやり方をするにしても、分割決済の目的はおおよそ同じ。「部分的に利益確定していくことで、全損防止と利益追求を両立」しようということにあります。

分割決済の例

分割決済にはいろいろな方法がありますが、例えばオーソドックスな方法として下図のようなパターンがあります。

分割決済の例

↑上昇トレンド中の押し目買いで分割決済するパターンです。2ロットを取引するとして、半分の1ロットを直近高値レート(+10pips)で決済し、残り半分の1ロットを倍の+20pipsまで伸ばして決済します。損切ラインは-10pipsのレートに置きます。

ではこの分割決済の例について、「心理面」と「統計面」での効果を以下で考察します。

心理的な効果とメリット

分割決済は、決済時の感情をコントロールしやすくするという効果があります。

トレードで行ういろいろな作業のうち、利益確定は最も難しいことの一つだと言われていいます。エントリーよりもイグジットの方が難しいのではないかと私は思っています。

利益確定を難しくしているのは、トレーダー自身の感情です。

ポジションに含み益が乗ってくると「このままホールドしていればもっと利益が増えるかも」という気持ちと、「このまま持っていてもし利益が減ってしまったらくやしい」という相反する気持ちが葛藤しはじめます。

「もっと儲けたい」という気持ち「損したくない」という気持ちが対立した場合、たいていの人は損したくないという気持ちを重視するということが実験から明らかになっています(プロスペクト理論)。そのためポジションに含み益が乗ってくると本能的に利確したくなるのです。初心者がチキン利食いしてしまったり、損大利小のトレードをしてしまったりするのもこれが理由です。

つまり何が言いたいかというと、「早く利確したい」という感情をうまくコントロールすることが必要だということです。そしてそのための方法の一つが分割決済です。

含み益が乗ってきたところで、ポジションの一部を決済すれば「早く利確したい」という気持ちをとりあえず満足させることができます。これによって感情のバイアスが取り除かれるため、残りのポジションは冷静に利益を伸ばして決済できるというわけです。

統計的な効果とメリット

統計的な観点から見ると、分割決済には損益の変動を緩やかにするという効果があります。

少しわかりにくいので一括決済の場合と分割決済の場合に分けて考えてみます。

まずは1ロットのポジションを一括決済する場合を考えます。利確を+20pipsとし損切を-10pipsとすると、トレード結果は-2万円の負けまたは+4万円の勝ちのどちらかとなります。(下図)

一括決済のトレード結果

↑左が負けの場合、右が勝ちの場合です。相場がランダムウォークだとすると、発生確率はそれぞれ66.6%と33.3%になります。

次に、2ロットのポジションを1ロットずつ分割決済する場合を考えます。+10pipsで1ロットを決済し、+20pipsで残り1ロットを決済するとした場合、トレードの結果は-2万円の負け、±0円のトントン、+3万円の勝ちのいずれかとなります。(下図)

分割決済のトレード結果

↑左から順に負けの場合、トントンの場合、勝ちの場合です。相場がランダムウォークだとすると、発生確率はそれぞれ50.0%、16.6%、33.3%となります。

一括決済と分割決済の結果を円グラフで比較してみると下図のようになります。

一括決済と分割決済のトレード結果比較

左が一括決済した場合のトレード結果の分布です。全体の3分の2は負けるという状態ですね。実際にこの結果を体験すると「なんだか負けてばかり」という感覚になるのではないでしょうか。

右は分割決済した場合のトレード結果の分布です。全体の半分は負けとなりますが、半分はトントンまたは勝ちとなります。一括決済よりも負けトレードとなる確率が減るわけですね。実際に分割決済でトレードすると「負けにくくなった」という感想を持つのではないかと思います。

損益の期待値は一括決済の場合でも分割決済の場合でも同じなのですが、分割決済すると負けトレードの発生頻度が下がるため、損益の波は緩やかになります

つまり安定したトレードがしやすくなるということですね。

まとめ

この記事では、分割決済の効果を「心理」と「統計」の二つの観点から考察しました。

利益確定のように感情のコントロールが必要な場面では、分割決済が効果的に機能すると言えそうです。また、統計的にも安定したトレードを行うために分割決済は効果がありそうだと分かりました。

一方で分割決済のデメリットは何かというと、トレードプランや注文操作が複雑になるといったことでしょうか。頭の中を整理しながらトレードできる方であれば、デメリットはあまり気にしなくても良いと思います。

コメント

この記事へのコメント(2 件)

  • Veronicaさんより

    Mi_LineTraderで分割決済ができるようになれば最強だと思います!
    ぜひ実装してください。

  • 管理人ですさんより

    Veronicaさんへ
    コメントありがとうございます。
    Mi_LineTraderに分割決済機能そのものを実装することはありませんが、Mi_LineTraderで分割エントリーすれば実質的には分割決済と同じ意味になります。
    例えばいつもは1ロットエントリーするところを、半分の0.5ロットにして利確位置をずらして2本エントリーすれば本ページで説明した分割決済のようなトレードができます。