[MQL] どんなインジを作るべき?6つのインジケータータイプ
ひとことでインジケーターといっても、その機能や目的はさまざまです。
MQLプログラミングをはじめて間もないうちは、「インジを作りたいけど、どんなものを作ればいいのか分からない」という人がいるかもしれません。
早い段階で完成形のイメージを明確に持つことは良いインジケーターを作るために重要です。
しかしいきなり精巧なイメージと言われても困りますよね。そんな場合には、まずとっかかりとしてインジケーターのジャンルから決めてみるのが良いと思います。ジャンルが決まれば、目的や機能をはじめ力を入れるべきポイントもざっくりと絞られます。
ということで、この記事では一般的によく見かけるインジケーターのジャンルを6つ紹介しようと思います。
1.テクニカル指標系(トレンド・オシレータ)
チャートの相場状況を、独自のロジックで数値計算を行いグラフなどで示すタイプのインジケーターのこと。
このタイプのインジケーターの具体的な例は、移動平均線、ボリンジャーバンド、ストキャスティクス、MACDなどです。ZigZagやサイコロジカルなどもこのタイプに含みます。
刻一刻と変わる相場状況を、何らかの方法で数値化・視覚化することが目的のインジケーターです。「インジケーター」の本来の言葉の意味に最も合致したタイプですね。
これらのインジケーターの多くは、数学や統計学をベースにしたロジックを使って数値計算を行い、その結果をチャートに表示します。すでに先人たちに開発され尽くしている感があり、新規ロジックでこのタイプのインジケーターを作るのは難しいでしょう。
このタイプのインジケーターを作るならば、ゼロからロジックを作るのではなく、既存のロジックを少し変えたり複数のロジックをを組合せたりといったアプローチが良いのではないかと思います。
2.サイン系
エントリーや決済などの「投資行動」を行うべきタイミングを示すインジケーターのこと。
売買タイミングを矢印などで示すものが典型的なサインインジです。
このタイプのインジケーターは、独自の計算やチャートパターンなどから売買タイミングを見つけ出してチャートに矢印などで表示します。サインに従って売買を行うためのインジですので、リペイントするのかしないのかは重要な関心事となります。リペイントしない設計の方が使いやすいでしょう。
なお、売買ポイントがわかるのであればEA化して自動売買すればいいのではないか?という疑問はまさにその通り。EA化していないということは、まぁそういうインジなのである。
このタイプのインジを作るならば、本気で利益が出せるレベルにまで仕上げてEA化すべきでしょう。
3.パターン抽出系
特定のパターンや相場の現象を見つけ出して、チャートに示したりトレーダーに知らせたりするインジケーターのこと。
例えばパーフェクトオーダーが成立したらチャートに表示したりメールしたりするといったもの。
先ほどのサイン系インジと少し似たい印象を持つかもしれないが、インジケーターの目的が異なる。サイン系インジは売買タイミングの表示が目的であるのに対して、アラート系インジは「注意を促す」ことが目的である。アラート系インジは、トレーダーに注目すべきチャートポイントを知らせることさえできればよい。実際に売買するかどうかはトレーダーが実際にチャートを見て判断する。
つまりこのタイプのインジケーターは、エントリーポイントを探すことが目的なのではなく、トレーダーのチャート監視の負荷軽減が目的です。従って、アラートの発生条件はそれほど特殊なものである必要はなく、一般的にトレーダーが気にするパターンが抽出できれば良いでしょう。
トレーダーによってアラートしたいパターンは異なるため、このタイプのインジでは、パターン成立の条件を細かくカスタマイズできるようにしておくことがポイントです。
4.目盛り系
トレードの基準として使うベーシックな数値を、ライン等で示すインジケーターのこと。
もっとも典型的な例はラウンドナンバーのインジケーターです。他には、前日の四本値、ピボットレートなどの値を水平線で表示するインジケーターや、縦グリッドで日本時間を表記するものなどもこのタイプに含まれます。
このインジケーターは、時間によって変化しない特定の値をチャートに目盛りのように表示します。トレードを行う上での、価格レートや時刻の目安(目盛り)としての役割を果たします。
トレード時に常に参考にしている価格などをシンプルに表示すればよいと思います。あまり凝った見た目にすると逆にわずらわしくなってしまいます。
5.トレード情報系
トレードに使う簡単な情報を表示するインジケーターのこと。
例えば、現在レート、スプレッド、現在時刻、足確定までの残り時間、口座残高などトレード中にときどき確認したくなるちょっとした情報を表示します。
余計な小細工をせずにシンプルに情報を示すのがベターです。見た目のフォーマットをそろえて、いくつかの情報を並べて表示することで機能性がアップします。
比較的簡単に作れるため、プログラミングの練習として作るのもありです。
6.補助ツール系
MT4の各種操作を、簡単な操作で実行することができるインジケーターのこと。インジケーターというよりも便利ツールと言った方が適切です。
例えば、キーでラインなどを引いたり、チャートの時間足を切替えたり、ロット計算をしたりといったものです。
このタイプのインジケーターは、トレード時に行う作業の精度をアップしたり、作業の手間を軽減したりすることが主な目的です。普段のトレードで「面倒だな」と思う作業ががあればそれを自動化すればおおよそ役に立つものが出来上がります。
人が操作する前提のインジケーターであるため、直感的な操作感がポイントとなります。実際に使用した時の違和感を細かい改良で払拭していくことで、しっくりと馴染むツールに熟成されていきます。
まとめ
この記事では、6つのインジケーターのタイプを説明しました。
自分にはどんなインジケーターが必要なのかを考えていくことは、ひいては自分のトレード手法のブラッシュアップにもつながります。不思議ですが本当にそうなのです。
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